本当にセブン&アイは風前の灯火なんだ。
文春オンライン(10月16日)にセブン&アイ・井阪隆一社長のインタビューが載っているので紹介しよう。
「果たして、セブン&アイHDの井阪社長は自社を取り巻く厳しい経営環境をどう受け止めているのか。10月13日、本人に話を聞いた。
――クシュタールの買収提案の件について。企業方針の違いなどはどのように受け止めている?
『流通業ってそれぞれの国と地域でそれぞれの価値をつくっていますので、本当にクシュタールさんがテイクオーバー(買収)した後に、そういうことの優先順位を考えてもらえるかということもすごく重要な要素だと思うんですね。地産地消とか色んなことをやってきましたから。そういったことまで本当にお考え頂けるかということが、一つ懸念にはありますよね。将来打ち合わせていかないといけないんだろうとは思っていますけどね』
――提示されている7兆円という額ですが。
『その額は僕たちが発表したというよりはメディアの方が出した額なので。先方の具体的な数字とか、交渉の中身についてはこちらからお話しはしない方がいいかなと思っています』
――先日、グループの再編を施策として打ち出したが、防衛策としては十分?
『それはクシュタール云々ではなくて、自分たちが本当にこれからどうやって成長していくかということをベースに考えたプラン。その魅力によって2005年にホールディングスができた時と比べ、日本でも倍くらいの店舗数になっていますし、アメリカでも同じように倍くらい成長しています。成長のスピードは国内の(イトーヨーカ堂などの)スーパーストア事業とは明らかに違うんですよね。同じ傘の下にいてやっていくよりは、むしろ分けて、セブン-イレブンブランドはグローバル、国内両方ともすごいスピードで成長しないといけない。スーパーストア事業はもう少し地域密着型でやっている。生い立ちも成長シナリオも違うので、それぞれ分けようと昔から言っていて。それと、今回の買収防衛策といいますか、クシュタールさんに対して打ち返す手というのとは全く違う次元のお話になります』
――買収防衛策としてまた別の手を考えているということ?
『いやいや、そうではなくて買収防衛ということは今考えていません』
『以前から何年もかけて進めてきたものです』
――“物言う株主”であるバリューアクト・キャピタルからも、スーパーストア事業の切り離しは指摘されていたと思うが、それを受けての施策?
『そういうことではなく、本当に自分たちがこの一番適切な成長ストーリーをちゃんと実現していくために、働いている社員も加盟店さんも、一番いいスピードで成長していくためにどうしたらいいんだということで出したのが、今回のグループの構想だったんです。それはクシュタールとの件があったから出したわけではありません』
――タイミングとしてはどうしても防衛策として見られているが。
『いやいや、そんな簡単にできないんですよ、この議論は。社内でも相当やってますね。ですから、クシュタールから出して頂いた提案に対してこれが答えだということではなくて、それ以前から何年もかけて進めてきたものです』」