今回は、旧安倍派を中心に非公認となった候補は12人だったが、そのうち3人が出馬を断念した。

 東京11区の下村博文元文科相は、お詫び行脚として支援者宅を8000軒回ったという。その甲斐あって当落予想ではC+なっているという。これは当選の可能性ありということ。

 下村は文春に対して、選挙後について不気味なことをいっている。

――当選後はノーサイド?

「ノーサイドでは済まないでしょう。『党内融和より国民への説明』と石破総裁は仰ったが、党内をまとめる努力をどうされるのか。危ういんじゃないですか。石破政権が」

 この恨、晴らさでなるものかということか。
非公認となったことが大きなダメージになったと思われるのは、福井2区の高木毅元国対委員長。今はC-と当落線上ギリギリ。

 注目の東京24区の萩生田もC-。

「ポジティブな要素が何もないうえ、公明党の推薦が出ないのが痛い。東京二十四区は最低でも四万票の公明党票があるとされています。つらい選挙戦になるでしょう」(久保田正志政治広報システム研究所代表)

 東京21区の小田原潔もC-。

 だが圧倒的な強さを見せる候補もいる。兵庫9区の西村康稔元経産相がそれ。予想ではAという高い評価である。

 それは、公明党が推薦を出したことと自民党から半ば公然と推薦を受けているからだという。

 埼玉13区から出馬している三ツ林裕巳元内閣府副大臣も非公認だが、公明党から推薦を受けているため、評価はAだそうだ。

 東京17区の平沢勝栄も盤石で、当選確実のA評価。

 こうしてみてくると、半数以上が勝ち残ってくると思われる。そうなれば、石破茂首相は即刻、自民党に復帰させる腹積もりだろうが、この仕打ちに怒っている連中は、石破憎しで固まり、反石破で動き出す可能性大である。

「今回の非公認などの判断は、党内に禍根を残しました。旧安倍派や旧茂木派、麻生派の候補のもとには、“反石破”の旗印として高市氏が応援に駆け付ける予定です。(中略)政治資金の透明化を掲げていたはずが、党の要職に座る小渕氏を巡る不記載疑惑も明らかになりました。議席を減らす可能性が高まる中、“石破降ろし”が加速してきそうです」(政治部デスク)