◆昔の元気でハツラツとしていた自分に戻ろう

 定期的に精神科で先生に話を聞いてもらえるのが、一番の“クスリ”になっているのかもとルカさんは言う。穏やかな気持ちになれて、昔の元気でハツラツとしていた自分に戻ろうという前向きな気持ちになれるのだという。

 先週、何年振りかで、かつて書きかけていた小説を仕上げてみたそうだ。近々、元いた出版社に持ち込むつもりだと言っていた。仕事仲間にもよくLINEをするなど、今まで滞っていた交流も復活しはじめていて、また編集の仕事も請け負うことになりそうだという。

「ネットで調べたんですが、精神科に通っていても、私みたいに仕事はなんとかできているという人は意外と多いみたいですね。まあ、そんなみんなも私も、なんとか日常生活を普通にこなしたくて必死なんです。立ち止まっていられないから」

◆今のこの苦しみの原因は、私にあるんですよね

「私は、元凶は夫だと思っていたのですが、その元を正せば、夫に恋をして結婚をしたのは私。つまり、今のこの苦しみの原因は、私にあるんですよね。そういう考えに、最近やっとたどり着きました。

それからはもう、どんな理不尽なことを夫にされても我慢できるんです。この暮らしを選択したのは自分なんだから、それを今は我慢するしかない。早く経済的に自立をして、ここから飛び立つんだって……。だからもう大丈夫なんです。毎日辛くて苦しいけど、これから私はしあわせになるから大丈夫なんです」

ベッドの上で悩む女性
 ルカさんは、一応、自分の病状を夫には伝えている。しかし、心配の声掛けなどは一度もない。毎朝なにか怒鳴り散らして文句を言って仕事場に行き、帰宅したらまた同様の言動なのだそうだ。