◆思った以上のハードワーク

しかしその「時間」が、Kさんたちを苦しめるポイントでもあった。Kさんが受けてきた仕事には、12時間ぶっ通しで愚痴を聞くというものもあった。トータル23万円と利用料金は高額だが、夕方6時から翌朝6時までの耐久レースだ。売れっ子になればなるほど拘束時間がとにかくハードになる。

「受付開始は朝の9時。なのに深夜対応も要求される。会社が予約を受け付けるので、自分の裁量ではコントロールできない。ギャラは売り上げに応じて。バックの割合が大きくなったり、月収が100万を超えたりしたときは『法人にしたほうがいい』とかの真っ当なアドバイスをくれたこともあるけど、まあブラック企業並みに働かせられたね」

「深夜利用の客も多いので、終業は朝の5時とか。平均睡眠時間は1日3~4時間。朝方シャワーを浴びて仮眠して……それで相談内容は、そこそこヘビーでしょう。病んで辞める人もたくさんいるし、それでも自分には迷える羊たちを導く使命がある! と万能感から辞められない人も」

電話占い師202304-2b
「そんな感じでその会社の場合は、占い師側も健全とはいえず、なんだか混沌としていたわ。だから、私もこんなことはいつまでもはできない、と数年で辞めてしまって」