◆手伝いを頼むと「俺、時給いくらだと思ってるの?」

 高給取りハイスペの中には人格者だっていますが、一方で、妻を見下してエラそうにするヤツも。昇太さんはまさに後者のタイプで、明子さんに、数々のひどい言葉を、ことあるごとに真顔で言ってくるそうです。

「俺は人より稼いでる」

「俺、時給いくらだと思ってるんだ?」

「俺は毎週末とか縛られるの無理なの」

「結婚ってもっと軽い感じで一緒にいるんだと思ってたけど、こんなはずじゃなかった。」

「お前って、子育てとか俺に頼ろうとしない女だと思ってた」

「なんにも出来ないお前も、子供っていう生きがい見つけられただけよかったじゃん?」

「俺の行動を制約したいなら離婚しよう。喧嘩するより子供のためにいいでしょ。ただ子供は俺がもらうわ」

 昇太さんが初めて「離婚」の2文字を口に出したのは、産後わずか2ヶ月の頃でした。

「あまりの突拍子のない提案にびっくりしました。産後でやつれた私を見て嫌気がさしたのか、『全体的に生活リズムが俺と合わないし、合わせるつもりもないから、実家に帰ってくれていた方がマシ。俺に手伝わす気なら、期待されてもムダだよ』と言われたんです。

 だから私は、意地でも『父親』の自覚を芽生えさせようと頑張ったんです。悔しくて…」

 その甲斐があり、子供は可愛がるようには成長したそう。でも、明子さんが倒れたり、身動きがとれない事態になった時「絶対に手伝わない」という姿勢は変わりませんでした。