◆家族を思うが、母親である前に女王
英国王室の歴史で、今もなお私達の記憶に残るのは、ダイアナ妃の事故死ではないでしょうか。
「私は彼女に感銘を受け尊敬していました」とはエリザベス女王の弁ですが、ダイアナ妃は日本での人気も高かったため、イギリスはもちろん日本、そして世界中が悲しみにくれました。
事実、「在位中最大の危機」と言われたダイアナ妃の死。乗り終えたのは、国民に寄り添うエリザベス女王の言葉だったと本書。エリザベス女王とダイアナ妃、お互いを見つめるまなざしには、愛と尊厳が感じられるのです。
エリザベス女王は3男1女に恵まれましたが、4人のうち3人が離婚(2人が再婚)しています。「母親であることは、何よりも大切な仕事です」と、母であることを誇りに思い、子供達への愛もゆるぎなかったに違いありません。
とはいえ、母親である前に女王でした。子供達に十分な愛情を注ぐ時間がなかったと、自分を責めることもあったそうです。