◆がんの初期症状とはどんなもの?
――がんを発症した人は、どんな初期症状を訴えることが多いのでしょうか?
清水:前提として、同じ症状があったとしてもがんとは限らないので過剰に怖がらないようにしてください。初期症状としては、例えば甲状腺や乳がんは体表の臓器が腫れてきます。身体を触ると、手にグリグリとしたものが当たる時は特に体調不良がなくても一度病院で診察を受けた方がいいですね。
また、なかなか症状が取れないことがあります。風邪を引いたと思って1週間くらい様子を見ても症状が取れない時は、病院に行って診てもらいましょう。「体力で乗り切ろう」とか「今は疲れているんだ」と自己判断せずに、専門家に医学的に診断してもらうことが大切です。例えがんではなくても、体に何らかの原因があって症状が出ているはずですから、体調不良が続く時は、無理をせずに医療機関を受診することをおすすめします。
参考:小児慢性特定疾病情報センター 医療費助成について
「がん相談支援センター」とは(がん情報サービス)
一般社団法人「AYAがんの医療と支援のあり方研究会」
【清水千佳子先生】
国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科診療科長。東京医科歯科大学医学部医学科卒業。国立がん研究センター中央病院での研修、米国のM.D.Anderson Cancer Center Medical Exchange Program短期留学を経て、同病院の医員、医長として勤務。平成29年10月より現職。専門は乳癌の薬物療法。AYAがんの医療と支援のあり方研究会 理事長のほか、日本乳癌学会評議員、日本臨床腫瘍学会協議員、日本がん・生殖医療学会理事などを務める。
<取材・文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。