◆同じような境遇の人と話せる「患者会」
――がん患者の支援には、どんな相談機関があるのでしょうか。
清水:国の指定する地域がん診療連携拠点病院には、患者さんの療養のサポートのために「がん相談支援センター」が設置されており、AYA世代の患者さんの窓口になっています。利用するかどうかは患者さんの選択によります。
また病院以外の場所では、患者さんが自主的に運営している「患者会」があり、情報交換や、独自の支援活動をしている会もあります。患者会では、同じような境遇の方と話をすることができて、心の支えになったという声をよくききます。
◆「私だけは大丈夫」と考えず、ある程度想定しておく
――がんの症状や治療だけでなく、社会的な問題や精神的な辛さも大きな負担となるのですね。
清水:高齢者になるとがん仲間が増えます。でも若い方は同世代の大半が元気なので、悩む方は多いです。今までは未来を描いて暮らしていたのに、「治療や病気で未来が断たれるかもしれない」という状況に置かれることは非常に大きなギャップがあることでしょう。だからこそ「私だけは大丈夫」だと思わないで、人生に起こりうる危機としてある程度想定しておくことが大切です。