◆ありきたりの毎日は、ありきたりではない
哲代おばあちゃん、2021年4月の日記に「100年生きてきてこんな見事な桜は初めて」とありました。千本桜を眺めての感想です。桜は毎年咲くものと、私達は漠然と考えていますよね。ところが数日後、哲代おばあちゃんは足を痛めて入院してしまうのです。
再入院を含めて約1ヶ月の入院生活。ありきたりの毎日は、ありきたりではなく、いつ何時危機に見舞われるかもわかりません。毎年咲く桜を今年も見られたという些細な出来事が、本当はかけがえのない幸せなのです。「毎日同じようなことの繰り返しじゃけど、それがどれだけ幸せなんかが分かります」と101歳を前に、「また一つ勉強した」という哲代おばあちゃん。素直で純粋で素敵な女性だと頭が下がります。