◆どう死にたいかで、どう生きるべきかが見える

どう死にたいかで、どう生きるべきかが見える
『ロストケア』より
――ちなみに10年前と言えば、松山さんはまだ20代です。この題材に、そこまで惹かれたのはなぜでしょう。

松山「当時、雑誌でいろいろな方と対談する企画をしていて、自然栽培の農家の方とお話をしていたときに、『農は生き方に繋がる』というお話をされていたのが、僕はすごく印象に残ったんです。そこから色々考えて、生きるってことは、その最後の『死ぬ』という部分を意識して『今の生き方』になるのかなと感じるようになりました。

 どういう風に死にたいかによって、今どういう風に生きるべきかがわかってくる。そんなことが頭の中にあったときに、『面白い本があるよ』と前田監督から言われて。これは他人が人の人生を終わらせる話。それを“救い”だと言う話。すごく考えさせられました」