連続殺人を犯した介護士を松山ケンイチさんが演じ、対峙する検事を長澤まさみさんが演じたことで、早くから話題を集めていた社会派ミステリー『ロストケア』が公開され、さらなる議論を呼んでいます。“死”と向き合う本作。現在38歳の松山さんは、原作小説と出会った20代後半の頃に、すでに“死”について深く考えていたと言います。そんな松山さんへのインタビューを、前後編にわたって送ります。

38歳・松山ケンイチさん、「家庭を持った今、死ねない理由が強烈にある」
松山ケンイチさん
 松山さんが演じるのは、訪問介護でケアしてきた老人たちを手にかけ、「殺したのではなく救ったのです」と主張する斯波(しば)。彼の言動からは、現代日本が抱える問題が見えてきます。

 本作は、松山さんが『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などの前田哲監督とともに、原作の発売当初から温めてきた企画です。映画化に10年を要したワケや、松山さん自身が“生と死”を強く意識するようになった理由に迫ります。