◆七光りを免れているのはなぜか
ここでちょっと視点を変えてみる。冒頭で指摘したように2世という響きにはあまりいい印象がない。でもなぜだか(音楽)アーティストだけは、2世だから七光り云々という批評を免れている気がする。
例えば、世界でもっとも有名なシンガーのひとり、ナット・キング・コールの愛娘ナタリー・コールが父のスタンダードナンバーをカバーするとき、それは七光りだと言われるだろうか。いいや。
あるいは、ダニー・ハサウェイの娘レイラは、父の代表的なクリスマスナンバー「This Christmas」を唯一無二の歌声で2022年にカバーした。
ナタリーもレイラも偉大な父の音楽的才能を多分に引き継いでいるし、彼女たちの音楽性は父の影響下で語られることも多い。
でも決して批判の対象にならないどころか、称賛の喝采を浴びるのはなぜだろう?