◆女の人は可愛いとハードボイルドでできている

田中セツコ5
田村さんは毎日よく歩きます。ジムにもプールにも行きませんが、郵便局や銀行、買い物など、ひとり暮らしですからすべて自分で管理して行動あるのみ。

「召使いとかにお世話にならずに、自分自身が、お姫様と召使いの両方をやる。それが一番健康的だと思います」と、自分の役割を分けてそれぞれを満喫しているのです。

召使いになりきって、お姫様のために尽くす。料理も掃除も、お姫様パートの自分のためならきっとワクワクする。お姫様でいる時は、極上な気分で過ごす。そんな心持ちでいれば、世界はもっと輝きを増すでしょう。

「女の人は、可愛いとハードボイルドと、両方持っていれば怖くないんじゃない? ひとり二役」と田村さん。

時に可愛く、時にハードボイルドに、自分だけの目線で人生を歩いていく。誰のことも「気にしない」。そんな軽やかな生き方が、健康を呼び起こすのです。

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx