広瀬すずが酒豪ナンバー1か。一度でいいから行きつけの居酒屋で一緒に飲んでみたいものだが……。

 さて、少し前に夕刊フジが来年1月で休刊と報じられた。私が夕刊フジで覚えているのは、講談社に入ったその年、11月25日に三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に乱入した事件があった。

 私は月刊現代というところにいたが、校了間際の徹夜の朝帰りで中野駅に降り立った。すると駅の売店のスタンドに夕刊フジが刺さっていて、大きく「三島由紀夫市ヶ谷自衛隊乱入」とかいう見出しが見えた。早速買って見て読み、万が一と思って編集部に電話を入れた。

 電話に出た先輩は知らなかった。当時、テレビは1台あったが、校了のために消していたのだろう。

 それから、「すぐに社に戻れ」といわれ、校了を延ばし、三島の記事を入れたことを覚えている。

 今だったらネットニュースやSNSですぐに情報は流れるのだが、今から半世紀以上前、編集部には扇風機とテレビしかなかった。

 のんびりしていたといえばのんびりしていた時代だった。そこに夕刊フジという夕刊紙が出て、随分話題になり、飛ぶように売れた時代があった。

 それに続いて日刊ゲンダイが創刊され、夕刊紙戦国時代に入って行くのである。

 当時は、前夜の野球のナイターの結果を知るのも夕刊紙からであった。情報がユルリと流れていた時代だった。

 ネット、SNSが普及し、日刊紙、夕刊紙、もちろん週刊誌も“時間遅れ”のメディアになってしまった。

 新潮が、東京中日スポーツ、愛称はトウチューが年内で休刊、実質廃刊だと報じている。

 スポニチ、報知、日刊に比べるとややマイナーなスポーツ紙だが、中日ドラゴンズファンにはたまらない愛着のあるスポーツ紙であろう。

 プロ野球人気が低下し、サッカーも一時ほどの熱狂はない。PGAゴルフも井上尚弥のボクシングもネットに独占され、ペーパービューでなければ見られない。

 テレビは叫び声を上げるだけのお笑い芸人と、何でも「これはウマイウマイ」というだけの食べ物番組がはびこり、ドラマの原作はマンガからが多くなり、薄っぺらになったと嘆いているのは、私だけではないはずだ。