あと、毎日普通にスキンケアをして、自分の顔や身体に触れてあげる。そうすると自分の変化に気づきやすくなる。特別なことじゃないですけど、普通のことを続けることが大事だし、それが定着してきたかなと思います」

内田慈
――俳優として、年齢とともに演じる役に変化を感じることはありますか? 以前は“女優さんは、ある程度の年齢になると母親役ばかりになる”と言われましたが。

内田「それって女性のことをなんだと思ってるんだろうと腹が立った時期も、たしかにありました。性別や役割だけでなく、たとえば体型もそう。ジャンルにもよりますが、外国の作品にはいろんな体型の人が出てくるのに、日本ではここ最近まであまりそういうことがなくて疑問に思うこともありました。

最近は、いろんな人がだんだん出てくるようになってきたと思いますし、それはすごくいい傾向だと思います。

性別や役割の話から派生すると、別に隠しているわけでもないんですけど、私、7年前に結婚したんです。そのとき特別公表もしなかったんですね。というのは、結婚を決めたときに、周囲に話していくなかで、いろいろ違和感を覚えたからなんです」

◆結婚で「やっと女の幸せつかんだね」と言われた違和感

――違和感を?

内田「たとえば『仕事は続けるの?』とか。なんで結婚したら仕事を辞めることになってるんだろうと。あとは『結婚したら子どもを生むことになるかもしれないからアルコールのCMとかはしばらく出られないね』とか。結婚イコール子どもなの?って。

あとビックリしすぎて気持ちがついていかなったのが、子どもがいる女友達に結婚の報告をしたら、『女の幸せって結婚して子どもを生んでナンボだと思うよ。結婚おめでとう、やっと女の幸せつかんだね』って言われたんです」

内田慈
――ええ!? 現実に言われたんですか?

内田「実際に言われましたよ。私自身は何も変わっていないし、プロフィールにひとつ書くことが増えた程度のこと、日常の延長だと思っているのに、結婚したと話すだけでこんなに違和感を覚える言葉を浴びせられるのかと。