だがそんなかつてのブラックマンデーを超える大暴落にも、慌てず騒がずに切り抜けた人がいるというのでさっそく読み始めた。

 だが、初っ端から、元タワー投資顧問の清原達郎という人物が出てきて、暴落当日には旅行中の日光にいて、17時に自宅に帰るまで相場を知らなかったというのを見て、「こりゃ駄目だ」と思った。

 案の定、これは買わなきゃと思い「19時まで必死に銘柄探し。それから230億円分の注文を細切れの指し値で入力し始めて、22時までに注文を終えました」というのである。

 その上、選んだ銘柄は、三井住友フィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、大和証券グループ本社、日立建機を指し値で買ったというのだ。

 こんな金満家のいうことなんか週刊誌に載せるな! そう叫びたくなった。

 次に出てくるのも資産22億円の“日本のバフェット”という愛称もある藤本茂で、この暴落で2億6000万円の含み損を被ったというが、彼にすればかすり傷程度であろう。

 藤本も、「自分の信念を貫いてやっていれば結果は出る」というが、私のように、100万円のカネでさえ自由にならない「庶民」には縁遠すぎて、腹が立つ。

 いつから週刊誌は金満家の愛読誌になったのか? あの大暴落で、悲観して自殺した人間はいないのか? そいうことを取材して記事にするのが週刊誌ではなかったのか。

 株だけではないが、ギャンブルはカネを持っているヤツが勝つのだ。ギャンブルに命から二番目に大事なカネをつぎ込んではいけない。

 長年、競馬にカネをつぎ込んできた私は、最近、つくづくそう思う。

 私の夢は、カネがあったら、毎レース、一番人気のない馬から馬単総流しして、のんびりレースを見ていたい。

 当たっても、何だ500万しかつかないのか、そういって当たり馬券を破り捨てる。やってみたいな!

 ところで、私はフワちゃんというのを知らないし、騒動というのも当然ながら知らない。