◆定年後の夫には「役割」を見つけてもらおう

『60歳のトリセツ』
 定年後、自由時間を謳歌できる人ならばよいのですが、目的を失い、急に無気力になってしまう人もいます。特に男性ほど、この傾向に陥りがち。

 そこで、こうした事態への対策が「夫が家庭内での役割を見つけること」です。

「男性の脳は、目的達成型なので目的を設定しないと生きがいを感じられませんし、自分が責任を果たしている相手に情がわきやすいという傾向があります。

 たとえば、男性は会社に対する愛着や忠誠心が高い方が多いのは、フルタイムで週5日8時間近く働いて会社に散々貢献してきたからこそ。

 この仕組みは家庭でも同じです。毎日家族のためにゴミを出したり、家事をしたりと、何かしらの形で家族に貢献している人ほど、家族への愛着が強くなります。

 だからこそ、定年退職後の夫にも、なんらかの責務が必要です。皿洗いでもゴミ出しでも買い物でもなんでもよいので、遠慮せず、夫に家の中での役割を担ってもらいましょう。

 その際は、部分的に何かの作業を手伝ってもらうのではなく、完全な縦割りで『この仕事はこの人にすべてを任せる』というスタイルが望ましいです。

 我が家でも、洗濯はすべて夫の仕事です。凝り性なので、いまでは家族の誰よりも完璧に洗濯物を仕上げてくれるようになりました」