◆30歳までの結婚に固執したのかよくわからない

 もう少し長くつきあっていたら、彼への違和感から結婚はしなかったかもしれないと彼女は言う。ただ、30歳までに結婚したい思いはそれほど強かったのだ。

「今になると、どうして30歳までにと固執したのかよくわからないんですけどね(笑)。ただ、結婚したかった自分の思いを否定はしたくない。別に結婚に失敗しても人生にたいした影響はありませんから」

 そう、離婚はたいした痛手ではない。彼女は「バツイチになってから気楽になりました」と大きな笑顔を見せた。

―シリーズ「結婚の失敗学~コミュニケーションの失敗」―

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio