◆他の人に思いが至らない
それ以来、ヨシエさんはユウキさんの言動がいちいち気になっていく。
「たとえば友人たちと一緒に飲みに行ったときも、彼は弟キャラというかいじられキャラなんですよね。本人もそれが居心地がいいみたいで、その立場にいれば多少のわがままを言っても許されると思っている節がある。だから自分から他人に気を遣ったり思いやったりすることができないんです」
友人のひとりが病気で入院したことがあった。ひとり暮らしだったため、いち早く駆けつけて鍵をもらい、自宅から着替えをもっていった人、足繁く見舞いに行った人、遠方から出てきた彼の両親の案内を買ってでた人など、みんなが協力したのだが、彼は結局、一度見舞いに行っただけ。友人に親身になる気配が感じられなかったという。
「冷たいわけではないんだけど、濃い情がないというか。私とは人間関係の作り方が違うなと、いろいろな場面で思いました」
だからといって離婚など視野に入れてはいなかったのだが、ある日、決定的なことがあった。