◆頑張れそうな元気をもらい、いざ退院へ

 手術が終わると乳腺外科から腫瘍内科に変わり、担当医も変わるので、果たして担当医師がわたしの趣味や意思を尊重してくれるかどうかは心配でしたが、とにかくその方向で頑張ってみることにしました。

 わたしにとってはとても大事な発表会ですが、周りの人から見たら「ただの趣味」に映ってしまうようで、夫にも実母にも「そこまでして発表会に出なくても……」と言われました。けれど、わたしの気持ちは発表会一直線。それに「抗がん剤打ちながら、ヅラで発表会に出た」なんて、今しかできない経験だもの。

 アピアランスセンターで。退院後も目標に向かって頑張れそうな元気をもらい、10日間のボーナスタイムも、いよいよ終了。いざ退院です。

 さて、そんな、思ったより楽しく優雅で充実した入院生活を終え、いざ退院の日がやってきました。

<文/塩辛いか乃 監修/石田二郎(医療法人永仁会 Seeds Clinic 新宿三丁目)>

【塩辛いか乃】

世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako