◆元夫の言葉に苦しんだ日々

 社会人として順調な日々を過ごしていた坂本さんでしたが、転機となったのは自身の離婚でした。38歳の時、長年友人だった男性と結婚。しかし、入籍前後から夫の態度は急変していきました。

坂本:「入籍前後のタイミングで、1回すごく怒鳴られた時があったんです。その時は『機嫌悪いのかな』と思ったんですが、その後もことあるごとに怒鳴られて。自分の所有物が思うように動かないのが気に入らない、という感覚だったんだと思います」

 謝ると以前も同じことを言っていたと詰められ、謝らなければ態度が変わるまで叱咤を受ける――そのような日々を繰り返す中、坂本さんの精神状態は次第に悪化していきました。一方、事情を知らない友人からは「いい旦那さん」と声をかけられることもあり、周囲には自身の状況を伝えられずにいたといいます。

 ある時、思い切って妹に状況を打ち明けてみたところ、話はすぐに両親へと伝わり「今すぐ離婚して帰ってこい」と猛説得を受けます。友人宅に居候しながら別居生活を続け、結婚から1年足らずで離婚。別れた後も元夫の顔や、夫に責められた言葉が頭にちらつき、「自分の存在が人に迷惑をかけている」という思いから、ストレス性の目まいに悩まされる日々が続いたとのことでした。