東京都と山梨県の境にある「丹波山村」という村の名前を聞いたことがあるでしょうか。日本百名山である雲取山や大菩薩嶺の山々に四方を囲まれ、東京・多摩川の源流である丹波川が中心部に流れる、緑豊かな山村地域です。
最寄り駅であるJR奥多摩駅へは、バスを使って約1時間。人口は512人(令和6年6月1日時点)、町内にはスーパーもコンビニもありませんが、その自然環境に魅せられて、週末ともなればキャンパーやバイクライダーなどがひっきりなしに村を訪れます。
近年では若者の移住も増加しており、『田舎暮らしの本』(宝島社)が発行する「2024年度版 住みたい田舎ベストランキング」では、「村」カテゴリーで総合部門1位となりました。
そんな丹波山村に単身で移住し、食堂を立ち上げた一人の女性がいます。名前は、坂本裕子さん(47歳)。元々、神奈川県内の一般企業で翻訳関連の仕事に従事していた坂本さんは、一体なぜ村に移り住むことになったのでしょうか。