◆手術前夜、やっぱり眠れない夜

 今日から10日間会えない息子にも電話をすると、「ご飯たべて、ゲームしてるー」とケロッとした声。明日は電話できないからね、と伝えると「頑張ってね」と可愛い声で言ってくれました。

 そろそろ消灯時間。ですが、明日のために早く寝よう寝ようと思っても、ソワソワして落ち着きません。

 消灯は9時でしたが、9時を過ぎても真っ暗にはならず、静かにしていれば起きててOKとのことで、しばらくは持参したDVDプレーヤーにイヤホンを差し映画を見ていました。それでもなかなか眠くなりません。

 看護師さんが、眠れなければ睡眠剤を持ってきますよと言ってくれて、睡眠剤をもらうことにしました。

 飲んだら少しは眠れたような気はしますが、ナースセンターの目の前で明るく、さらに隣のベッドの女性は人工肛門をつけたばかりで、夜中でもトイレのたびに看護師さんが介助に来るため、そのたびに起きてしまい、結局ほとんど眠れずに過ごしました。

 どんなに寝不足でも、全身麻酔の爆睡で巻き返せるからまぁいいや、と謎の諦めで迎えた早朝。

 さて、いよいよ手術当日です。

<文/塩辛いか乃 監修/石田二郎(医療法人永仁会 Seeds Clinic 新宿三丁目)>

【塩辛いか乃】

世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako