◆憧れの彼との同棲生活を始めることに
「私は彼と付き合うことになりました。そして、バンドのマネージャーに任命されて、運営に携わることになったんです。程なくして、彼に同棲を提案されました。もちろん断るわけがありません」
すぐにアパートを引き払って、彼の自宅に転がり込むようにして、同棲生活をスタートさせました。あの時期は間違いなく、人生の絶頂期だったと語る萌夢さん。
長年にわたって憧れだった彼との同棲はそれは幸せなものになるはずでした。しかし、その幸せは長くは続きませんでした。ライブチケットの売れ行きが芳しくない時や、スランプに陥って曲が書けない時や、バンドメンバーと仲違いしたときは、彼の愚痴をひたすら聞かされるようになりました。
それだけならまだ良かったものの、そのうち手が出るようになり、金銭まで要求されるようになったとか。
「もう別れよう、今日こそ終わりにしよう、何度もそう思いましたが、別れ話を切り出すことはとうとうできませんでした。なぜって、彼のライブの演奏が天才的だったからです。それに、機嫌がいい時の優しい笑顔を見せる彼の仕草が愛おしかったからです。そのたびに、私は彼のことがますます好きになっていったのです」
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