◆夢みたいな一晩の思い出

 上京してからはアルバイトを掛け持ちしながら、バンドの追っかけをする生活を送る日々。ほとんどすべてのライブに参戦し、ツアーがあれば一緒について全国を飛び回っていた萌夢さん。10代の終わりから20代の前半まで、ずっとそんな生活をしてたといいます。

夢みたいな一晩の思い出
 熱心な追っかけファンとして、ファンの間のみならず、バンドメンバーからも認知されるほどだったとか。

「あるライブ終わりの後、出待ちをしていると、バンドのマネージャーから声を掛けられ、ボーカルの乗る車に案内されたんです。私を呼んでくれているなんて、とても夢みたいだと思いました。漫画みたいにほっぺをつねって、夢じゃないかって何度も確認しました。

 ライブ会場から少し離れた駐車場に停めてあった車の運転席に、舞台の上で何度も見たボーカルの彼が座って煙草を吸っていて。胸がズキズキして痛むほど緊張しながら助手席に乗り込みました。それからのことは本当に夢みたいでした。夢なら覚めないでくれって、このまま夜が明けなければいいのに、って思いました」