◆京都の撮影所が好き
――本作は京都の松竹撮影所で撮られたとか。京都の撮影所は雰囲気が違うとよく聞きますが、実際違いますか?
永山「楽しいです。僕は単純に時代劇が好きで、コスプレというか、頭もそうですし刀を下げて歩いたり、和装が好きなんです。今年はこの撮影があるのが分かっていたので、雪駄を買って、京都に入る前から東京の街中を歩いていました」
――最初に京都の撮影所に行かれたときのことを覚えていますか?
永山「BS時代劇『一路』(2015)のときですね。よく覚えています。周囲からも脅されていたんですよ(笑)。実際に行ってみて、スタッフさんたちがみんな、自分の言いたいことをバンバン言う感じに最初は驚きました。でも僕はすごく楽しくなっちゃって。自分から何かをする余裕はありませんでしたが、とにかく言われたことをちゃんとやるようにしていました。それから、いろんな人におすすめの映画を聞いて、萬屋錦之介さんの映画なんかをたくさん観ましたね」
◆京都の撮影では思い出の小道具を携帯
――撮影所に浸かっているうちに楽しくなった。
永山「2~3カ月いたんですけど、ずっと勉強でした。終わったときにみなさんに『よく頑張った』と言っていただいてすごく嬉しくて。『出来はどうであれ、気持ちは受け取った』と。『一路』では家伝の“行軍録”を持って参勤交代に出る役だったのですが、最後に小道具さんから使用していた“行軍録”をいただいたんです。それから5回ほど京都の撮影所に言っていますが、毎回必ず“行軍録”を持っていくようにしています」