◆夫との関係が改善した理由

――育児に関して夫と話し合ったことで変化はありましたか?

真船:その後も色々な局面があったのですが、言いたいことはちゃんと伝えるようになったし、私も周りにうまく頼れるようになって関係が良くなってきたと思います。夫が部署移動で以前よりは早く帰宅できるようになったり、引っ越しをして私の実母の家に近くなって助けを借りられるようになりました。

産後クライシスをどう描くかは、どちらか一方を悪者に描きたくない気持ちがあったので1番難しいところでした。夫の言い分も描いているので、ご夫婦で読んでもらえたら、どちらの気持ちも共感いただけるんじゃないかと思います。

――漫画で「夫」のキャラクターが面白いのですが、真船さんから見てどんな方なのでしょうか?

真船:思っていることを1回飲み込んでから話す人ですね。私自身は思っていることが全部口から出ていく人間だし、空気に流されたり、常にトラブルに見舞われて大騒ぎしてるような人間なんですが、夫はそういうことが一切ないです。夫の母が、「この子があわてているところを一度も見たことがない」と言っていました(笑)。

私が漫画を描くために、土曜は1日中子供を見てくれますし、料理が得意なので最近では私より数段立派な幼児食を作って息子に食べさせています。子どもも「トト、トト」と言って、夫の姿が見えないと泣くこともあります。父としてもどっしりと構えてくれていると思いますが、最近は子供がかわいすぎるようでデレデレを隠しきれていません(笑)

©真船佳奈『令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!』はちみつコミックエッセイ、オーバーラップ

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<文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】

ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。