◆産後クライシスの原因は?

――夫婦で新生児の育児をする中で、いわゆる「産後クライシス」になっていくところがリアルでした。

真船:当時は夫が私と同じ思いで育児をしてくれないことに腹が立っていました。でも、私が不満を爆発させたあと夫と話し合ったことで「私とは育児の捉え方が違うだけだったんだ」と理解することができたんです。

私は“母乳じゃなきゃ”とか、“授乳中は子どもの目を見る”とか、子育ての1つ1つのタスクを全部ちゃんとやらなければいけないと思っていたんです。夫の方は「この先長いんだから可能なペースでやればいいんじゃない」という考え方。

でも夫がリラックスしながら育児をしているところを見ると、私は必死すぎてリラックスなんかできなかったし、夫に「思いつめすぎてるんじゃない」と言われても「育児はちゃんとやってたら、思いつめちゃうものだよ!」と思ってしまい、どんどん気持ちがすれ違っていきました。

――第一子だと特に、どうやって手を抜いたらいいのか分からないですね。

真船:他の人がどのくらい手を抜いているのか、コロナ禍なので聞けないことも大きかったかもしれません。スマホで調べると、完璧な離乳食の写真や、「手を抜くと大変なことになる」系の情報がどんどん出てきて、「愛着障害」の4文字におびえていました。

今考えると、「そのくらいで愛着障害になるなら世の中の人全員グレてるよ!」と思えるのですが、当時は情報に踊らされていましたね。もっと早く他のお母さんに出会って「ここは適当でいいよね」という話ができたらよかったなと思います。