◆裕福でも満たされない女の“欲望”も恐ろしい

一方、リキを“代理母”として受け入れる悠子(内田)は、イラストレーターになる夢を叶え、既婚者だった基(稲垣)を愛し、略奪結婚。すべてを手に入れた女のように見えます。ただひとつ手にできなかったのは、愛する人との子どもでした。

不妊治療を続けて妊娠するも、三度の流産を経験。結果的には妊娠することも、卵子凍結すらも望めなくなります。基と同様に有名なバレエダンサーだった母・千味子(黒木瞳)は、それでも基の子どもを求めるのです。そして、基は“代理母”という選択を強行します。

基は“代理母出産”を「悠子とずっと一緒にいるためのプロジェクト」といいますが、実際は千味子同様に自らの有能な遺伝子、血筋を残していくことを強く望んでいるのです。第2話で、悠子は“代理母出産”に抵抗がありながらも、基への愛を貫く覚悟を涙ながらに語ります。基を愛すること、基に愛されることが悠子にとって最大の“欲望”なのだと感じました。