この「芸人」という職業は、他人に言いづらい職業トップ10に入るだろう。もちろん子供の頃なら「将来何になりたいの?」という質問に「芸人!」とか「お笑い!」と元気満々に答えることも出来るのだろうが、これが「お前、この先何かやりたいことあるの?」という少し大人びた質問になった途端「芸人!」とか「お笑い!」なんて元気に答えられる代物ではなくなってしまうのだ。
仮に元気よく「芸人!」と言ったとしても、ボケの回答と思われてしまう可能性が高く、真剣に「お笑い」と言ったとしても、心配されるのがオチだ。なのでどのみち信じてもらえないような夢ならば、叶えられるまで言わないという結論になるのだ。
お笑い芸人になるというのは人にいうのも恥ずかしいが、目指すものとして決心するのも勇気がいる。何故なら面白ければ必ず売れるというものではなく、収入も安定しないし、やり続けたからと言って何の保証もないからだ。なので芸人になりたいと思って養成所などに入ったとしても、先輩たちの生活の不安定さや、収入の少なさを目の当たりにして、芸人を本職にする前にやめる人が多いのだ。
2016年M-1グランプリ王者、銀シャリの「橋本直」さんも、新潮社から出版されている文芸誌「波」で書いている連載で、芸人を目指す恥ずかしさを綴っていた。
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