◆母親の過干渉、その経緯も知っているからこそ

 とにもかくにも「好きやけど、嫌いなとこがいっぱいある」というセリフは、親子の距離感の難しさを端的に表現したセリフだった。

木曜劇場『いちばんすきな花』
2話より
 沙夜子自身、幼少期には男兄弟がいたことから男の子と同じように育てられ、夜々には自分のような思いをさせたくないため、女の子らしく夜々を育てたという経緯があった。そのことを夜々は知っており、沙夜子が女の子らしく育てることに悪気がなく、むしろそれが愛情であることを知っている。加えて、虐待されたのであれば沙夜子に100%の嫌悪感を持てるが、虐待は一切なく“毒親”とラベルを貼るにもパンチが弱い。