◆成人した娘の友人関係にまで口を出す母親

 夜々が産まれるまでの深雪家には、3人の子どもがいたが全員男の子だった。夜々の母親・沙夜子(斉藤由貴)の「1人は女の子がほしい」という思いの中、夜々が誕生したようだ。待望の女の子ということもあり、夜々は沙夜子から過保護かつ“女の子らしく”育てられる。兄達と一緒に元気良く遊びたい夜々の気持ちを知る由もない沙夜子に、夜々はピンク色の服やスカートを着せられ、お人形遊びばかりをさせられる日々だった。

4話より
 夜々の気持ちを鑑みず、女の子らしさを求める姿勢は、娘が成人した現在も変わっていない。沙夜子は突如夜々の自宅を訪れ、夜々がゆくえ(多部未華子)、椿(松下)、紅葉(神尾楓珠)とのグループLINEでやり取りしている最中にスマホの画面をのぞき込み「みんな、ママの知らん子たちばっかり。何の友達なん?」という、中高生時代にありそうな親のダル絡みを見せつける。

 さらには、椿らを行儀の悪い人たちと決めつけて距離を置くように指示。これに夜々はキレてしまい「(椿たちは)他人やけど、他人のほうが母親より、私のことわかろうとしてくれとるもん」「ママは母親ってだけやん。産んだってだけ。お気に入りのお人形産んで、それで遊んどるだけ」と吐き捨てて家を後にする。これまで母親に抱いていた不満が、友達を馬鹿にされたことで噴火してしまった。