◆「ママのことは好きやけど、嫌いなとこがいっぱいある」

 夜々は逃げるように椿の家に足を運び、そこでゆくえに話を聞いてもらい、心の平穏を取り戻す。ゆくえの家に一泊させてもらい、翌日自宅に帰るとすでに沙夜子の姿はそこにない。ただ、夜々は母との関係に決着をつけるため沙夜子に電話する。夜々は「すごく大事にしてもらえて感謝しとるけど、けど……辛かった」「ピンクもスカートも嫌いじゃないとよ。でも一番好きな色は紫やし、スカートよりズボンのほうが好き」とこれまでため込んでいた思いをすべて吐き出す。

 さらには「ママのことは嫌いじゃない、好きだよ。好きやけど、嫌いなとこがいっぱいある」「私の好きなもの、わかった気になっとうところがすっごい嫌い」と沙夜子の嫌いなところを泣きながら並べる。沙夜子も目元に涙を浮かべながら「ママの理想を押し付けてしまったのかもしれんね」と謝罪して、「夜々は好きな人が何を好いとうか、わかってやれる人になってね」と願いを口にした。