◆当初のターゲットとは異なるシニア世代や独身者が購入するワケ

レンジのススメ
敢えて手で封を切り切り口をギザギザにすると開けやすい
――「レンジのススメ」も「パキット」も見事商品が完成したわけですが、どのような方が多く購入しているのでしょうか?

佐藤さん:発売当初は共働きの子育て世帯の方が忙しい時に使っていただける商品なんじゃないかなと思っていたのですが、発売から3年目に入った今、購買層で最も多いのは60代~70代の方なんです。

 お子さんが巣立って夫婦だけでの食事になった方が、「火を使うのがだんだん怖くなってきたから」「子どもが家にいた時は頑張って料理をする気持ちがあったけど、旦那さんと2人だと面倒」といった気持ちがあり、商品に魅力を感じてくださっているようです。

 特にポイントなのが、「野菜を自分で切る行為がある」ことによって手抜き感も罪悪感もなく使って頂けているところ。

 どうしても昔は「レンジ調理=手抜き」というイメージがありましたが、野菜を切る工程があるだけでもなんだか「料理をしたぞ」という気持ちになるんですよね。

 特にこれから暑い季節は火を使う必要がなく、コンロ回りが油ハネで汚れることもない。手間はかからないけれど美味しいおかずができることにメリットを感じて頂けているのだと思います。

――お客さんと話していて開発者の方が気づくこともあるんですね。

佐藤さん:すごく細かい話だと、以前60~70代の方とお話していたら、「レンジのススメ」をキレイにハサミで開けようとすると、そのあと封が開けにくいみたい!という意見があって。

 でも実はこれ、手でも開けることができるようになっていて、むしろハサミでまっすぐじゃなく手で開けてもらったほうがギザギザに切れて開けやすいんですよ、とお伝えしたことがありました。

――どうしてもキレイに開けないと!と思ってしまいますが、そうしない方が良いこともあるんですね!

佐藤さん:メーカーとしてもお伝えしていかないといけないなと思っています。