◆3人の息子を育てるシングルファザーは…

 一方、小学1年生、5歳、3歳の息子3人を育てる、会社勤務でシングルファザーのBさん。

 現在、仕事中はそれぞれ学童、幼稚園、保育園に預けているといいますが、周囲には「子どもを預けられない友人」もいて、「余計なお世話だと口にしていました」と話します。

 さらに、埼玉県で暮らす上で「おせっかいな条例を考える前に、もっとやってほしいことがある」と主張も。

「埼玉の一部ですが、今住んでいる自治体では給食でのアレルギー対応に不満があり、実際、息子が小麦アレルギー持ちなので学校との交渉には苦労もありました。

 病院では、子どもの急な発熱に対応してくれず、近隣の市町村まで夜遅くに車を飛ばしたこともあります」

“子育て”に限らず、各地の条例には暮らしやすい環境を作る目的もあるはず。「埼玉県虐待禁止条例」の改正案に端を発した今回の騒動は、行政の姿勢を今一度問うきっかけになったといえそうです。

<取材・文/カネコシュウヘイ>