◆異臭が気になったのは、自分だけではなかった
もともと鼻が敏感で、わずかなニオイも感じ取る日高さんでしたが、この異臭は自分だけが感じたのかと気になり、母に「今日のお通夜で変なニオイがしなかった?」と聞いてみたそうです。
すると母も「すごく変なにおいがしたよね!」と激しく同意。お通夜なのでその日は葬儀場に母と宿泊。お線香の火を絶やさないため夜も寝ずの番が必要だったのですが、ついついその「ニオイ」の話で母と深夜トークが盛り上がってしまったようです。
「すると、母が急に『もしかしたらSさんの足のニオイかもしれない』と言い出しました。Sさんは水虫持ちで、通気性が大事だからと仕事中は常にサンダル履きでいるそうなのです」
それを聞いて日高さんは、確かにあの酸っぱいニオイは「足のニオイ」と言われれば納得がいくかもしれないと思いました。翌日の葬儀でも、もし同じニオイがすれば、絶対にSさんの足のニオイだろうと予想していました。
◆お葬式当日、さらにパワフルなニオイにやられる
いざ葬儀当日、亡くなった父のことよりも「謎のニオイ」が本当にSさんの足のニオイなのかを確かめることに気持ちを持っていかれてしまった日高さん。
「葬儀当日、Sさんは黒のスーツを着て現れました。家族葬だったのでメンバーは同じくわたしと母とSさんだけ。神妙な顔つきで式場の座敷に上がり、3人並んで正座をして、お経をあげてもらいました。
そのとき、やはり日高さんの鼻を強烈な刺激臭が襲いました。
昨日と同じく、やはり強烈に酸っぱいニオイ。
今日はSさんが前に正座していて、足の裏が日高さんの目の前。ニオイが日高さんの鼻を直撃し、昨日より強烈です。