◆両親を支えるSさんとは?
「当時、父は小さな商店を経営していました。そこで支えとなっていたのがSさん。父が入院して動けない間は、運転ができない母を店まで送り、1人で切り盛りする母と共に店を回してくれていたようです。
離れて暮らしていたので、詳しいことは分からなかったのですが、父は自分の死後も店の運営、母を支えてくれるよう、Sさんにお願いしていたようです」
Sさんは物静かな人でしたが、父亡き後の役所や事後処理などに加え、日高さん一家の運転手まで。
日高さんと母、そしてSさんの3人で家族葬のような形で、お通夜を執り行いました。
◆お通夜で気づく「異臭」
お通夜の中で、日高さんは、ある異変に気付きます。
「近くのお寺にお願いして、お通夜にお経をあげてもらっていました。それまでは、父が亡くなったショックよりも実際にお葬式の手配に追われて悲しむ暇さえなかったのですが、お通夜を迎えてやっと静かに父を見送れると思ったんです。でも、お通夜の最中、変なニオイがしてきて…」
お経に耳を傾けつつも「なんのニオイだろう」と気になって仕方がなくなってしまった日高さん。
なんともいえない納豆のような異臭が鼻をつき、お寺の住職なのか、それとも葬儀場の何かのニオイなのか、と気になり、お通夜どころではなかったのだとか。