◆「LINEグループ」に起因するトラブルも多い

 近年、子ども同士のLINEグループをベースとしたトラブルは、たびたび社会問題として取り上げられます。実際にはどういったケースがあるのでしょう。

「入学後の話にはなりますが、僕が見ていた女子生徒の1人は、私立の女子中に入学後、いわゆる“仲良しグループ”で構成される2つのグループLINEに入ったらトラブルになったと話していました。『AグループとBグループ両方に入っているけど、どっちと仲がいいの?』と詰められたそうです。大人からすると本当に些細なことですが、こうしたトラブルは女子生徒の間ではとても多い印象です。

ただし、難関女子校では、こうしたトラブルはあまり耳にしません。上位校に行けばいくほど、個人主義の子が多くなるからです。また上位校ほど部活や勉強も忙しく、スマホを頻繁に触る暇が無い子が多いというのもあるでしょう」

 長谷川さんは指導に当たる際、「夜9時以降はスマホを触らないこと」といった指導をするそうです。これも優秀な子の家庭ほど、すでに親がそういった方針のケースも少なくないと言います。

「最近はLINEグループのトラブルも、InstagramやX(旧Twitter)でのトラブルに変化してきています。過去に聞いた話だと、Xでお友達のことを気軽に呟いたら、後々その子から『それは書いてほしくなかった』と言われ、トラブルになったという子がいました。その子には『いろんな人が見る場でそれを書いたら、書かれた相手はどう思うかを考えよう』と指導しますが、正直10歳そこそこの年齢でそれを求められるのは、大変だなとも思います」