◆Netflixならではの自由度

――ものすごく引き込まれながら、同時に「え、まだ6話! あと2話ある!」と驚きとともに最後までイッキに見続けました。

春名P「そうなんですよ。原作を読んだときにもページを捲る手が止まりませんでした。まさにこの作品は、ラグビーボール。どこに転がっていくのか分からない」

――言葉通りのイッキ見作品です。そうさせるための仕掛けとして、まず1話ごとの分数が決まっていませんね。

春名P「原作が8巻で、ドラマも8話構成です。なので単行本の巻割とエンディングをほぼ一致させています。原作の次巻へのクリフハンガーがもともと秀逸だったので。ただ1話は僕がこだわらせていただいて、原作の2巻の途中でのエンディングにしました。

『よし行くぞ!』と主人公が立ち上がった状態で終わらせるのではなく、復讐劇なのに『え?いきなり失敗してんじゃん』と一度落とすことで視聴者を引き付ける。そのために1話目は54分あります。2話は41分。主題歌を入れないと40分を切るアンバランスさに、平川監督からは、『本当にこれでいい?』と8回くらい確認されました(笑)。僕としてはNetflixならではの自由度がありがたかったです」