◆ポツリとつぶやいた「先生の言葉」に激しく共感

ある先生はオンライン授業の中でぽつりと「密になるのが学校の醍醐味なのになぁ」とつぶやいたそうです。それを聞いて和田さんは、まさにそれだと感じたと言います。

「確かに未知のウイルスは脅威でしたが、日を追うごとにその症状や致死率、若者の感染・重症化リスクなどは見えてきたかと思います。けれどほぼ3年もの間、学校はずっと密を避け、黙食をつづけていました。登下校で外を歩くときや体育のときなども、マスクをしている意味があまり感じられず、それよりもコミュニケーションの機会の剥奪(はくだつ)や熱中症のリスクなどのデメリットばかりが浮き彫りになっているような気がしました」という和田さんは、「せめて少しずつでも、友達との関わりを持てるように緩和していってほしかった。子どもの3年間は、もうかえってきません」と嘆きます。

人は生きている限り病気やウイルス、細菌と共存するしかなく、リスクをゼロにすることは不可能です。リスクヘッジは大事ですが、できるだけリスクは取らないという選択ばかりしていると、社会は後退してしまいます。