映画『羊たちの沈黙』の見どころ

【ネタバレ】映画『羊たちの沈黙』あらすじやモデルになった人物をご紹介!
(画像=theguardian、『Sorte plus』より引用)

羊たちの沈黙には、たくさんの見どころがあります。ここからは、この映画の見どころを3つご紹介します。映画を鑑賞する際は、ぜひ見どころに着目してみてください。

見どころ①アンソニー・ホプキンスの演技

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(画像=looper、『Sorte plus』より引用)

まず挙げられるのは、主演のレクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスの怪演ぶりです。彼は役作りのため、実際に起きた猟奇的殺人事件を研究したと言います。さらに実際の刑務所を訪れ、有罪判決が下された殺人鬼の分析を行うほか、恐ろしい殺人事件の裁判を傍聴するといったことまでしたそうです。

レクター博士とクラリスの初対面のシーンでは、ジョディ・フォスター演じるクラリスの南部訛りを揶揄う即興演技を見せたそうで、彼女は思わず驚いたと言います。また、本来はオレンジの囚人服を着る予定でしたが、ホプキンスたっての希望でシーンによっては白い服を着用しています。

これは、恐怖の対象としての歯医者から着想を得たもののようです。また、彼はレクターを演じる際、友人を参考にしたようです。その友人は、周囲の人が恐怖を感じるほど瞬きが少なかったのだと言います。瞬きを少なくすることで、彼はレクターの強い目力をうまく表現しました。

見どころ②クラリスの捜査官としての成長

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(画像=VOX、『Sorte plus』より引用)

この映画では、女性捜査官が受ける男性社会からの抑圧が恣意的に描かれています。男性囚人や刑務官からのセクハラや、女性であるために性犯罪についての会話に入れてもらえないことや、FBIのトレーニングで彼女を含む女性捜査官が嫌がらせを受けたりするシーンなどがこれにあたります。

そこに現れるレクターは、彼女にとって父性を感じさせるようなキャラクターでもあります。つまり、この作品はクラリスがかつて警官だった父を失い、その後父と同じ道を進み、そこで出会ったレクターにトラウマから抜け出す方法を学んで立派な捜査官へ成長するという物語なのです。

そこには、クラリスの父親に対するファザーコンプレックスが読み取れます。レクターに注目の集まりがちなストーリーですが、実はクラリスが女性捜査官としてハンデを背負いながらトラウマから抜け出し羽ばたいていくという成長物語としての側面が強いのです。

見どころ③スズメ蛾の意味

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(画像=svijetfilma、『Sorte plus』より引用)

この映画のポスターにその姿が見られる印象深い蛾ですが、作中ではバッファロー・ビルが殺した被害者の喉に、蛾の繭が詰め込まれて発見されます。レクターはこれについて「犯人の強い変身願望を象徴している」と読み解きます。

その蛾には「歯の頭」と呼ばれる、珍しいドクロ模様がありました。ただ、ポスターの蛾のドクロ模様は、自然界にあるものではありません。

これはかのサルバドール・ダリによる作品で、女性の裸体を使った人体トリックアートを合成したものなのです。人体を組み合わせて作ったこの作品を用いることには、連続殺人事件を示唆する目的も秘められています。