◆『トイ・ストーリー』楽曲の作者は、もっと強烈な皮肉も

 もっと強烈な皮肉を込めたのが、映画『トイ・ストーリー』シリーズの音楽で知られるソングライター、ランディ・ニューマンです。16世紀に隆盛を極めたヨーロッパをおちょくった「The Great Nations of Europe」で、コロンブスをこう描いています。

ランディ・ニューマン
2011年、『トイ・ストーリー3』でアカデミー作曲賞を受賞したときのランディ・ニューマン
<インドに向けて航海したコロンブスは 代わりにサンサルバドルを発見した

 握手したと思った矢先 現地のインディアンはみんな死んだ

 ヨーロッパにはチフス 水虫 ジフテリア インフルエンザ なんでもござれ

 失礼! ヨーロッパ様のお通りだ>

 この歌詞を、いかにもヨーロッパ風の荘厳なオーケストレーションとともに歌うユーモアがシビアな批評になっている。まさにアメリカの繁栄と表裏一体のむごたらしい裏話が表現されているのです。