◆コロンブスというワードで表現するには、否定的な教訓を含まざるを得ない
もしそういう気持ちで今回の動画公開に至ったのであれば、かなりナイーブであると言わざるを得ません。
そもそも「コロンブス」というタイトルをつけて、ポジティブなメッセージを発したり、明るいポップなサウンドを展開する行為自体、今の時代においては相当に無知であるか、そうでなければ挑発的になってしまうと理解していなければならないのです。
2020年、黒人男性のジョージ・フロイド氏の死をきっかけに、全米でコロンブス像の破壊が相次ぎました。先住民に対する非道な扱いや、植民地化の過程で起きた残虐な悲劇が改めて白日のもとにさらされたのです。
もちろん、そうした悲惨な歴史とアメリカ合衆国の繁栄は表裏一体の関係であり、すべてをなかったことにして歴史を修正するわけにはいきません。
ひとつ確かなことは、これからコロンブスというワードで何らかを表現する際には、否定的な教訓を含まざるを得ないのです。
つまり、本曲MVの類人猿がまずかったかどうかを議論する以前の問題なのですね。