文春は佑子が「AiQ」側とやりとりした音声データを入手しているという。そこには生々しいやりとりが収められているという。

「お子さまについては、実力でいけちゃうかなと思うんですが、もし不安だったら、心づけを少しね。一校当たり金額は百万か二百万。受かったら先生方に『これもってっていいよ』って言って。万が一点数つけられなかったら、返ってきますから。
共学だったら(東京農業大学)稲花だとか、早稲田(実業)、青学とか、女子校ですと、白百合、(東洋)英和。英和は行動観察とか体操では満点つけてくれると思います」

 さらに続ける。

「上の方から動かすと大きなことになるんですけど、体操や行動観察、面接の何人かの採点をする先生に、だいたい一人三十万とか五十万とか。先生方も『この子は確かにうちの学校に合っていて、入れても問題ない』っていう子は点数入れてくれますから」

 呆れ果てるが、約1時間にわたって心づけの説明をされた後、裕子に見積書が添付されたメールが届いたという。

 請求金額は七百七十万円(税込)で、名目は「受験サポート料」だそうだ。一校あたり百五十万~二百万円という内訳だという。事前の説明通り不合格だった場合は全額返金させていただきますと赤字で書かれているそうである。

 堂々としていて、これは決して後ろめたいことではないと思わされる。

 これは事実かと問う文春に「AiQ」広報IR担当係がこう回答したという。

「保護者様のご要望に応じて志望校の校風や志望校対策を知るために、志望校の元関係者、OB、在学保護者を紹介する制度があります。この場合、お心付け料金を事前保証金としてお預かりし、合格した場合は、お世話になった方々へのお心付けとなり、不合格の場合は全額返金する制度で、大変好評を得ております」

 子供可愛さの親心に乗じた悪徳商法といわざるを得ない。

 だが、自分の孫だったら、向こうのいいなりに金を工面してしまうのだろうな。