さて、安倍元首相を狙撃した山上徹也被告(43)の公判前整理手続きがようやく始まった。

 なぜ、ここまで延びているのか分からないが、早く、裁判員裁判で山上が何を語るのか、安倍を付け狙って狙撃した理由は何なのか、彼の口から聞いてみたいものである。

 山上被告が意図したのかどうかは分からないが、旧統一教会の解散命令が東京地裁で争われることになったのは、彼の“功績”であることは間違いない。

 彼を含めて、彼の父親や兄を自殺に追い込み、一家を離散させてしまった熱心な旧統一教会信者の母親(71)は、今何を思うのか。

 誰しも聞いてみたいが、なかなかこの母親、口を開いてはくれない。

 文春はこのA子を直撃して、ほんの少し、本音らしきものをポロリと聞き出してはいる。

 ちなみに、母親は山上に面会に何度か行っているが、山上が会うことはないという。

 文春は、このままでは旧統一教会はなくなってしまうのではないかと尋ねたところ、堰を切ったように話し始めたという。

「どうしてマスコミは反対派の弁護士とか、被害者とか、そいう所ばっかり行くの。私はちょっと例外ですけど(教会の信者で)ちゃんとしている方もいらっしゃるのに。そういうのは全然載らないでしょう」

 そしてこう続けたという。

「どんな宗教でも会社でも一緒でしょうけど、良い面もあれば悪い面もあると思うの。私はみんなが幸せになれるような記事を書いてほしいんです」

 教会への解散請求についてもこう語った。

「あれも絶対おかしいでしょう。国会議員っていうのは国民の代表でしょ。その人たちが、国家権力を使って信仰の自由を制限するっていうのはあってはならないことだし、本当に怖いことやなぁと思いますよ」

 この女性、単なるおバカな人ではないようだ。

 だが、あなたの莫大な献金が家庭崩壊を招いたのではないかと聞くと、

「うーん。そこは非常に難しいところですね。自分っていうものを思うとね。何がどうだったのか……まぁよく分からないです」

 そう口を濁すのだ。

 この母親は、息子の徹也に会った時、何を語るのだろう。涙に暮れて許しを請うという愁嘆場にはなりそうにない。

 私のような無宗教な人間は、この母親の心の葛藤など分からないが、これを読む限り、旧統一教会に入信したことを恥じてはいないようだ。

 否、恥じているが、今更口に出してしまえば、これまでの人生はいったい何だったのか
と苦しまなくてはいけない。

 今のままでいい。このまま朽ちて行けばいい。そうした“決意”はうかがえるような気がするが。