◆AIのように完璧すぎる政治家を櫻井翔が怪演
本作が注目されている大きな要因として、櫻井翔の演技が挙げられる。一郎はかつて官房長官も務めた有力代議士・和田島芳孝(加藤雅也)を父に持つが、一郎の著書『悲願』で明かされるまでその親子関係は長年隠されていた。自身の出自を隠し、著書内でそのことを明かす時点で一癖も二癖もある人物であることが伺える。また、秘書・俊哉がブレーンとして一郎を支える、もといコントロールしている描写も少なくない。現在放送されている最新話・4話まで、一郎の本心や意思は全く見せられていない。
実際、登場人物も一郎の掴めなさには困惑している様子。1話で香苗は一郎との取材を終えた後、同僚に「まるでAIと話してるみたいだった」「名刺の渡し方、話し方まで完璧すぎるところが逆に不自然っていうか」「『清家一郎には主体性がない』って言われてもしっくりきちゃうっていうか」と一郎の無機質さと主体性のなさを触れていた。3話では、大学時代の一郎の交際相手・三好美和子(田辺桃子)が「血の裏付けと人を惹きつける力のある人間が、中身が空っぽのまま存在してるなんて奇跡ですよね」と一郎について口にしていた。