◆喫煙シーンでも、髙橋海人の演技力に驚愕

 まずQが徐々に煙草を吸うことに慣れていく様子がとてもリアルに描かれているが、倉地氏は髙橋の演技力だからこそ表現できている部分だと話す。

倉地雄大さん
ドラマ『95』のプロデューサーを務める倉地雄大さん
「実は本作は時系列をバラバラに撮影しています。例えば、5話のシーンを撮った後に3話のシーンを撮る、みたいなことが一般的な現場です。時系列通りに撮影していれば、Qが徐々に煙草を吸うことに慣れる姿を演技しやすい。ですが、時系列がバラバラのため、慣れた手つきで喫煙しているシーンを撮った1週間後にはたどたどしく煙草に火をつけなければいけない、という高い演技力が求められます。そこを髙橋さんは見事に対応していて驚きました」

 演技力だけではなく髙橋の勤勉さにも驚かされたと振り返り、「撮影中に髙橋さんは『今の芝居って大丈夫ですか?』といろいろなスタッフに頻繁に質問します。監督だけではなくプロデューサーの私やカメラマンにまで質問を求める役者さんは珍しい。本作のためにとても悩んでくれているため、一緒に仕事ができて本当に嬉しいです」と続けた。