■「それ、私に関係あります?」

 今回の殺人現場は裁判所。法廷画家の男(渡部篤郎)が、悪徳弁護士(田中要次)を屋上に呼び出し、突き落として殺害します。

 法廷画家はかつて交通事故で妻を失っており、そのときの裁判で運転していた被告を弁護したこの弁護士を恨んでいました。高額の報酬さえ受け取れば、どんなに悪質な被告でも平気で弁護する。殺された弁護士はそういう悪徳弁護士でした。

 という話なんですが、まず大前提として、アップデートしてないなぁと感じるんです。弁護士がどんなひどい犯罪者でも弁護して刑を軽くしようとすることを、一義的に「悪徳」として扱ってしまう。世情として、このへんの議論はある程度成熟してきてると思うんですよ。こういう動機で弁護士を殺してしまうのは、「完全に逆恨みじゃん」と受け取る視聴者のほうが多いと思う。

 解釈として間違ってるとか正しいとかではなく、ドラマの中で罪を犯す殺人者の動機として、全然魅力的じゃないんです。