◆気取らない配慮と飾らない感謝

 そう、すべてはMATEがライブを楽しめることにある。収録中、岩田さんがもっとも言及していたのが、他ならぬMATEへの感謝だ。気取らない配慮と飾らない感謝が、大前提。

 2ndトラック「Time after Time」のタイトル通り、「何度も何度も」感謝を口にしようとも、決して装飾的にはならない。むしろ、ありのままの自然体の状態から、血の通った言葉がシームレスに出てきているような印象を受けた。

 前作『The Chocolate Box』も含め、基本的に全曲がラブソングだが、岩田さんにとっての愛は“当たり前”を意味する。人生はすべて愛であり、愛は人生そのもの。時折、人生観的な哲学をさりげなく披瀝するのも、いやはや気取りがなく、まさにARTLESSな人柄。そりゃ、MATEもついてくるわけだ。