就活、婚活など人生においてさまざまな活動がありますが、人生の終わりについて考えるものが「終活」です。ただ、終活ではどのようなことをするのか、誰に相談したらよいのかわからない人も多いでしょう。そこで今回は、終活で整理したい財産や用意しておきたいお金などを紹介していきます。
お金のことでもめないためにも……終活の必要性
人生最期のときはいつ誰にでも起こり得ますが、若いうちは気にならなくても、年齢を重ねるとともに身近になってくるというもの。死を身近に感じる年齢になる前に、自分の望む最期を迎えられるように準備しておくのが終活です。
遺言書やエンディングノートを作成したり、保険証書や預金通帳をまとめておいたりなど、残された家族が手続きしやすいように準備します。まずは、終活についての一般的な認識を見ていきましょう。
終活を始める年齢は60代が最多
楽天インサイト株式会社が2019年に全国の20代から60代の男女1,000人を対象に調査したところ、約8割の人が終活という言葉を知っていました。また、終活の意向を確認したところ、40.3%の人が意向ありと回答しています。
年代別で見ると30代が46.0%でもっとも多く、理由の多くは「家族に迷惑をかけたくないから」でした。そして、実際に終活を始めたい年齢は60代が41.7%で最多となっています。
始め方に戸惑う人が多数。専門業者に相談も
一方、終活への不安に関する質問では、「何から手をつけたら良いのかわからない」という回答が36.0%でもっとも多くなっています。
そこで、終活アドバイザーや終活カウンセラーなど、終活に関するさまざまな専門家に相談する人も増えているようです。また、大手小売業をはじめ銀行などの金融機関でも、終活セミナーを定期的に開催し参加者を募っています。
持ち家は?車は?整理しておきたい財産
資産には種類がたくさんありますが、特に大きいものと言えば持ち家と車ではないでしょうか。家と車、具体的にどのように整理できるか見ていきましょう。
売却、贈与、リース……持ち家の整理方法
親の持ち家を相続して住む人もいますが、遠方にいるため住めない人もいるでしょう。空き家のままにしておくと、家の劣化が進みいざ売却しようするときに資産価値が低くなったり、不法投棄や不法侵入などの危険性が高まったりします。
相続人がそのとき考えればよいと思う人もいるでしょうが、相続人が困らないように終活で持ち家を整理しておくのも1つの方法です。終活での整理方法は、おもに売却、贈与、リースバックの3種類があります。売却で現金にしておけば、相続人が分割しやすくなるメリットがあります。
贈与だと生前贈与となるので、誰に贈与するか決められるメリットがあるでしょう。最後のリースバックは、不動産会社に売却し賃貸としてそのまま住む方法です。固定資産税などの維持費がかからなくなるメリットや、不動産を誰が相続するのかでもめる可能性がなくなります。
運転免許の自主返納と車の処分はセットで検討したい
加齢による運転リスクの増大が叫ばれているなか、終活を機会に免許証の自主返納を考えている人も多いようです。免許証の自主返納は、各都道府県警察の運転免許センターに申請します。
免許証に代わって公的な本人確認書類として利用できる運転経歴証明書が交付され、バスの運賃割引や商品券贈呈など自治体によってさまざまな特典が受けられるのが特徴です。
自主返納したら、車の処分も一緒に考えましょう。車を家に残していると、免許証がないことを忘れて車に乗ってしまうリスクがあります。リスクをなくすためにも、車の売却や贈与を検討しましょう。